1. 当院のリハビリテーションの特徴
1.リハビリテーション部の理念
理学療法士(以下PT)は、怪我や病気によって障害を患ってしまった方に、物理療法や運動療法を用いて、社会復帰に繋がるサポートをするスペシャリストです。
当院のリハビリテーション部として、大切にしていることが2つあります。
1つ目は、患者さんの「主訴」を大切にするということです。
例えば、美容室でヘアーカットをした時に自分の思った通りの髪型にならなかったとします。その要因として、自分の希望が上手く伝えられなかったのか、それとも顧客の希望を聞き出せなかった、美容師の技量や力量に問題があったのかの2つが考えられます。
これを臨床の現場に置き換えると、PTが患者さんの主訴を聞き出せないまま治療を進めても、患者さんの納得する結果にならず、単なるエゴで終わってしまうことになる可能性もあるということです。
2つ目は「評価」です。
患者さんの主訴に対して、その要因となっているものを特定していくために、様々なテストを行い、幾つもの「仮説」を立てていきます。
その中で、当院の特徴としているのが、超音波エコー検査による評価です。超音波エコー検査は、体内の組織の状態や動態を可視化することで、問題点がより明確になり、適切な理学療法を提供することに繋がると考えております。
これら2つのことを軸に、各セラピストが柔軟な思考を持ちながら業務に励んでおります。
お困りなことがありましたらお気軽にご相談ください。
リハビリテーション部
理学療法室
室長 徳永大二郎
2.リハビリテーションの対象
下記のような症状についてリハビリテーションを実施しています。
・関節の痛み、手足のしびれ
・腰痛
・肩こり、寝違え
・骨折後
・人工関節手術をされた患者様
・スポーツによる外傷
・成長による姿勢の歪みや痛み
・交通事故後の外傷
その他身体の様々な不調や痛みついて、お気軽にご相談ください。
当院では経験豊富な理学療法士が担当医師と連携し、お一人お一人に合わせた個別のプログラムを作成しています。
また、症状の改善だけでなくご自宅で行なえる体操・ストレッチ指導などの再発予防にも力を入れています。
2. リハビリテーション室の設備
リハビリテーション室
姿勢矯正鏡
超音波画像診断装置
SONIMAGE MX1 (KONICA MINOLTA)
Noblus (日立メディコ)
HI VISION Avius (日立メディコ)
筋電図
ノラクソン筋電計シリーズ、クリニカルDTS クリニカルセット (Noraxon社)
動作に対する筋の活動状態を客観的にまた定量的に把握できます。
筋肉や神経に異常がないか、筋肉が収縮する時や、神経を電気で刺激して筋肉や神経の信号の伝わり方を記録します。
ハンドヘルドダイナモメーター
重心動揺計
物理療法機器
拡散型体外衝撃波
MASTERPULS®MP100 (STORZ MEDICAL 社 )
衝撃波を皮膚の上から幹部に照射する方法で痛みを感じとる神経を変性させたり、新生血管の再生を促すことで慢性的な痛みを軽減する治療です。
衝撃波が屈折・反射しエネルギーが放出されるため、体内深くにある患部のみピンポイントに当てることが可能になる治療法です。
超音波治療器
LIPUS イトーUST-770 (伊藤超短波株式会社)
プローブを患部に固定した状態で出力の弱い超音波を断続的に発振することで、骨折部位に音圧刺激を与え、骨の癒合を促進します。
治療部位や目的に応じて、3段階の出力切替と組み合わせることで、浅部から深部まで様々な患部の治療に対応します。
オステオトロン (伊藤超短波株式会社)
音圧効果により、骨折部位の骨の形成を促進し、骨癒合期間を約40%短縮できます。
複数部位の同時治療や患部を挟み込んでも治療も可能なため、多重骨折や難治性骨折などにも、効率的な治療が行えます。
アクセラス2 (日本シグマックス株式会社)
2か所の部位や2方向からの照射ができるほか、広範囲の骨折にも適用できるなど、目的や用途に応じて照射できます。
骨折部位に応じた照射条件を使い分けることができます。
ハイボルテージ
フィジオアクティブHV (酒井医療株式会社)
瞬間的に高電圧の電流を流すことで、皮膚抵抗 を最小限に抑え、刺激感の少ない深部到達を可能にしたHi-Voltage電気刺激療法を行えます。
リハビリでの筋萎縮改善や、筋力トレーニングに使用できます。
ホットパック
経皮的電気的神経刺激治療器(SSP)
マイクロ波治療器
牽引
3. リハビリテーション部の学術活動
1.学術部門の説明
理学療法士 学術部門代表 藤岡学
・経歴
2012年3月 藍野大学 医療保健学部 理学療法学科 卒業
2012年4月 誠幸会わだ整形外科クリニック 入社
2019年4月 奈良県立医科大学 大学院医学研究科 運動器再建医学専攻 入学
2021年3月 奈良県立医科大学 大学院医学研究科 運動器再建医学専攻 卒業 修士号(医科学)取得
・論文
大腿四頭筋等尺性訓練および階段降段動作の課題設定による筋活動の相違
・研究内容
トレーニング方法別による大腿四頭筋の表面筋電図の計測
階段昇降動作における大腿四頭筋の表面筋電図の計測
理学療法士 中西聖弥
・経歴
2021年3月 森ノ宮医療大学 保険医療学部 理学療法学科 卒業
2021年4月 誠幸会わだ整形外科クリニック 入社
2023年3月 森ノ宮医療大学 職業実践力育成プログラム 運動器理学療法アップデート講座 修了
2023年4月 森ノ宮医療大学大学院 保険医療研究科 医療科学専攻 入学
・論文
- Nakanishi S, Morimoto R, Kitano M, Kawanishi K, Tanaka A, Kudo S. Difference in Movement between Superficial and Deep Parts of the Infrapatellar Fat Pad during Knee Extension. J Funct Morphol Kinesiol. 2021 Aug 14;6(3):68. doi: 10.3390/jfmk6030068. PMID: 34449659; PMCID: PMC8395910.
- Nakanishi S, Tsutsumi M, Kitano M, Kitagawa T, Miyashita T, Wada M, Kudo S. Effect of isometric quadriceps exercise on local microcirculation of the infrapatellar fat pad in female patients with knee osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage. 2024 May 31:S1063-4584(24)01208-1. doi: 10.1016/j.joca.2024.05.009. Epub ahead of print. PMID: 38824995.
- Nakanishi S, Tsutsumi M, Kawanishi K, Wada M, Kudo S. Effects of Radial Extracorporeal Shockwave Therapy on Piriformis Syndrome: A Single-Case Experimental Design. Cureus. 2024 June 16(6): e61873. doi:10.7759/cureus.61873
・研究内容
- 超音波画像診断装置を用いた膝蓋下脂肪体における動態評価
- 変形性膝関節症における膝蓋下脂肪体の局所微小循環の評価、運動療法の確立
- 絞扼性神経障害に対する拡散型体外衝撃波の効果検証
2.理学療法士 学術活動一覧
日付 | 学会名・研究会名 | 題名 | 理学療法士 |
2024年6月 | Cureus (IF: 1.2) 【論文執筆】 | Effects of Radial Extracorporeal Shockwave Therapy on Piriformis Syndrome: A Single-Case Experimental Design | 中西聖弥 |
2024年5月 | Osteoarthritis and Cartilage (IF: 7.0) 【論文執筆】 | Effect of isometric quadriceps exercise on local microcirculation of the infrapatellar fat pad in female patients with knee osteoarthritis | 中西聖弥 |
2024年4月 | 中之島運動器機能研究会主催 第2回中之島運動器エコーハンズオンセミナー 【講師】 | 藤岡学 難波優大 中西聖弥 成井圭 | |
2024年1月 | 日本物理療法合同学術大会2024 【学会発表】 | Bone marrow lesionsを有した変形性膝関節症に拡散型体外衝撃波が有効であった:症例報告 | 成井圭 |
2024年1月 | 第2回阪大エコーセミナー 【講師】 | 中西聖弥 | |
2023年12月 | 第1回日本膝関節学会 【学会発表】 | Relationship between changes in stiffness of the infrapatellar fat pad and changes in hemoglobin concentration in knee osteoarthritis | 中西聖弥 |
2023年10月 | 第8回森ノ宮医療大学学術大会 【学会発表】 | 変形性膝関節症における大腿四頭筋等 尺性収縮が膝蓋下脂肪体の局所微小 循環に及ぼす影響 | 中西聖弥 |
2023年10月 | 第11回日本運動器理学療法学会学術大会 【学会発表】 | 変形性膝関節症における大腿四頭筋等 尺性収縮が膝蓋下脂肪体の局所微小 循環に及ぼす影響 | 中西聖弥 |
2023年9月 | 森ノ宮医療大学卒後教育センター主催 RUSI workshop 【講師】 | 中西聖弥 | |
2023年9月 | 中之島運動器機能研究会主催 第2回中之島運動器エコーハンズオンセ ミナー 【講師】 | 藤岡学 難波優大 中西聖弥 成井圭 | |
2023年7月 | International Society of Biomechanics / Japanese Society of Biomechanics 2023 【学会発表】 | Effect of isometric quadriceps exercise on stiffness and hemoglobin concentration of the infrapatellar fat pad in knee osteoarthritis | 中西聖弥 |
2023年7月 | 第34回日本整形外科超音波学会 【講師】 | アレックス✖️森ノ宮発!!rehabilitative ultrasound imagingが変える理学療法とそ のエビデンス | 中西聖弥 |
2023年7月 | 第35回大阪府理学療法学術大会 【学会発表】 | 梨状筋症候群における拡散型体外衝撃波の効果~シングルケースデザインに よる検討~ 運動療法の工夫により胸郭出口症候群の症状が改善した一症例〜 肋鎖間隙に着目して〜 | 中西聖弥 成井圭 |
2023年6月 | 森ノ宮医療大学卒後教育センター主催 RUSI workshop 【講師】 | 中西聖弥 | |
2023年6月 | 第1回阪大エコーセミナー 【講師】 | 藤岡学 中西聖弥 | |
2023年6月 | 中之島運動器機能研究会主催 第1回中之島運動器エコーハンズオンセ ミナー 【講師】 | 藤岡学 難波優大 中西聖弥 成井圭 | |
2023年3月 | 森ノ宮医療大学文部科学大臣認定 職業実践力育成プログラム(BP) 【履修】 | 中西聖弥 | |
2022年9月 | STEP 第5回総大会 【演題発表】 | トレイルラン時に転倒し遠位半膜様筋健損傷を呈した一症例~ 医師と理学療法士の連携~ | 中西聖弥 |
2022年8月 | mirucoで見える!運動器エコー痛みの臨床 【講師】 | PTによる評価治療 肩関節編 PTによる評価治療 膝関節編 | 藤岡学 中西聖弥 |
2022年7月 | 第33回日本整形外科超音波学学術大会 【学会発表】 | 変形性膝関節症における大腿四頭筋の等尺性収縮が膝蓋下脂肪体に及ぼす影響 | 中西聖弥 |
2022年7月 | 第34回大阪府理学療法学術大会 【学会発表】 | 超音波画像診断装置を用いた治療に より頚椎症の症状が改善した一症例~double crush syndrimeに着目して~ | 中西聖弥 |
2022年2月 | 大阪府理学療法士会主催 第2回東支部新人症例発表会 【演題発表】 | 超音波画像診断装置を用いた治療により頚椎症の症状が改善 した1症例~double crush syndromeに着目して~ | 中西聖弥 |
2022年1月 | 大阪臨床整形外科医会療法士会 第56回勉強会 【講師】 | 肋鎖間隙について 斜角筋隙について 小胸筋下間隙について | 藤岡学 難波優大 中西聖弥 |
2021年9月 | 大阪臨床整形外科医会療法士会第54回勉強会 「超音波セミナー」~運動器エコー痛みの臨床~ 【講師】 | エコーを用いた頸椎症の理学療法 エコーを用いた膝蓋下脂肪の動態と理学療法 | 藤岡学 中西聖弥 |
2021年9月 | 運動器リハ部Online RUSI 超音波ガイド下インターベーションと理学療法の融合 【ランチョンセミナー】 | 超音波診断装置を用いた膝蓋下脂肪体における浅層と深層の動態 の違い | 中西聖弥 |
2021年8月 | Journal of Functional Morphology and Kinesiology 【論文執筆】 | Difference in Movement between Superficial and Deep Parts of the Infrapatellar Fat Pad during Knee Extension | 中西聖弥 |
2021年7月 | 第33回大阪府理学療法学術大会 【学会発表】 | 超音波診断装置を用いた膝蓋下脂肪体における浅層と深層の動態 の違い | 中西聖弥 |
2021年3月 | 奈良県立医科大学大学院修士課程卒業(医科学修士号取得) 【修士論文】 | 大腿四頭筋等尺性訓練および階段降段動作の課題設定による筋活動の相違 | 藤岡学 |
2021年1月 | 第9回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 階段降段方法の違いによる大腿四頭筋筋活動について | 藤岡学 |
2020年11月 | 大阪臨床整形外科医会療法士会 第51回勉強会 【講師】 | 理学療法士における超音波活用術 ~ 膝関節 基礎編 ~ 理学療法士における超音波活用術 ~ 肩関節 基礎編 ~ | 藤岡学 難波雄大 |
2020年9月 | 第33回日本臨床整形外科学会学術集会 【学会発表】 | 当院におけるロコモ度評価の主観的評価と客観的評価の関連性に ついて | 難波雄大 |
2019年12月 | 日本整形外科超音波学会誌第30巻1号 【論文執筆】 | 膝屈曲時に膝窩筋の伸張痛を訴える症例の超音波評価と理学療法 の試み Attempt of ultrasound evaluation and physical therapy in patients with accompanying extensional popliteus pain region during knee flexion | 徳永大二郎 |
2019年7月 | 第32回日本臨床整形外科学会 【学会発表】 | Knee-inにおける縫工筋、薄筋、半腱様筋の筋活動 階段降段方法の違いによる大腿四頭筋の筋活動について | 高尾耕平 藤岡学 |
2018年11月 | 第7回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 枚方市における介護予防・日常生活支援総合事業の取り組みにつ いて | 高尾耕平 |
2018年7月 | 第30回日本整形外科超音波学会 【学会発表】 | 膝屈曲時に膝窩部の伸張痛を訴える症例における超音波評価の試 み~膝窩筋腱に着目して~ | 徳永大二郎 |
2018年7月 | 第31回日本臨床整形外科学会学術集会 【学会発表】 | 大腿四頭筋の筋力トレーニングにおける課題の違いが筋活動比に 及ぼす影響 | 藤岡学 |
2018年1月 | 大阪府理学療法士会主催 北河内ブロック新人症例発表会 【演題発表】 | 柔道の背負い投げ動作において膝関節に疼痛を有する二分膝蓋骨 の一症例~運動連鎖に着目して~ サッカー競技中に腸腰筋に疼痛が生じたグロインペイン症候群の治 療経験~支持脚に発症した症例~ | 難波優大 加賀山颯 |
2017年11月 | 第6回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 柔道の背負い投げ動作において膝関節に疼痛を有する二分膝蓋骨 の一症例~運動連鎖に着目して~ サッカー競技中に腸腰筋に疼痛が生じたグロインペイン症候群の治 療経験~支持脚に発症した症例~ | 難波優大 加賀山颯 |
2017年7月 | 第30回日本臨床整形外科学会学術集会 【学会発表】 | 膝関節屈曲時に外側膝窩部伸張痛を有する症例への超音波評価の 試み | 徳永大二郎 |
2016年7月 | 日本臨床整形外科学会 【学会発表】 | 膝蓋大腿関節症における股関節内旋と外旋可動域の関係について ~変形性膝関節症患者における検討~ | 徳永大二郎 |
2015年9月 | 第4回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 当院におけるスポーツリハビリテーションの現状と課題 | 西山良平 |
2015年7月 | 日本臨床整形外科学会学術集会 【学会発表】 | 変形性膝関節症患者に対して、超音波を用いた評価の応用 | 徳永大二郎 |
2014年11月 | 第3回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 肩関節周囲炎の一症例 | 後藤千紗都 |
2014年11月 | 菅原健康まつり 【講師】 | 健康寿命を延ばすために~脱ロコモティブシンドローム~ | 徳永大二郎 藤岡学 |
2014年7月 | 大阪府理学療法学術大会 【学会発表】 | 右肩インピンジメント症候群の治療経験 | 藤岡学 |
2013年10月 | 第2回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 右肩インピンジメント症候群の治療経験 | 藤岡学 |
2013年7月 | 日本臨床整形外科学会学術集会 【演題発表】 | 伸展制限を伴う変形性膝関節症に対する取り組み | 徳永大二郎 |
2013年6月 | 大阪府理学療法学術大会 【演題発表】 | 頻回に亜脱臼を繰り返していた反復性膝蓋骨脱臼の一症例 | 徳永大二郎 |
2013年1月 | 大阪府理学療法士会主催 北河内新人症例発表 【演題発表】 | 頻回に亜脱臼を繰り返していた反復性膝蓋骨脱臼の一症例 右肩関節脱臼に腱板断裂を伴った一症例~三角筋トレーニングに着 目して | 徳永大二郎 藤岡学 |
2012年12月 | 第1回中之島運動器研究会 【演題発表】 | 頻回に亜脱臼を繰り返していた反復性膝蓋骨脱臼の一症例 右肩関節脱臼に腱板断裂を伴った一症例~三角筋トレーニング に着目して~ | 徳永大二郎 藤岡学 |